Kinkakuji (1958) : 炎上

三島由紀夫作『金閣寺』の映画化。しかし“金閣寺”という名称を使うことが許されず、劇中では“驟閣寺”という名前に変更された。主演の市川雷蔵は、現代劇初出演となったこの作品で、ブルーリボン賞とキネマ旬報賞を受賞した。

監督:市川崑
出演:市川雷蔵、仲代達矢、二代目中村鴈治郎、浦路洋子、中村玉緒、新珠三千代、北林谷栄、舟木洋一、信欣三、香川良介、水原浩一、志摩靖彦、浜村純

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Kinkakuji (1958) / 炎上のあらすじ

昭和19年、舞鶴で住職をしていた父が亡くなり、吃音の青年、溝口吾市(市川雷蔵)は、田山老師(二代目中村鴈治郎)が預かる京都双円寺の徒弟となった。溝口は、父(浜村純)が敬愛していた双円寺の驟閣を、この世で一番美しいものと憧憬していた。戦後、母(北林谷栄)が炊事婦として双円寺で働くようになった。溝口は、不貞を働いた母を憎み、驟閣を穢すものを憎んでいた。国宝の驟閣は観光客で賑わうようになり、寺は裕福になって尊敬する老師の生活も一変した。足の不自由な大学の同窓生・戸刈(仲代達矢)は、老師を偽善者という。溝口は、戸刈に反発しながらも、老師の心を試し、師弟の心は冷ややかに隔たっていった。刃物と薬を買い求め、誰にも告げず故郷を旅する溝口。驟閣は貧困と病に苦しんだ父の夢だった。寺に戻ると、母は、溝口の勝手な振る舞いで面目を失った、産まねばよかった、と言い捨て寺を去った。世の中や人が変わっても、たとえ金儲けの道具にされても驟閣は変わらない、俺が変わらせない、と溝口の驟閣への思いは強まり、戸刈はそれをあざ笑う。ある晩、老師を訪ねて来た禅海和尚(香川良介)に、自分の本心を見抜いて下さいと溝口は問う。禅海は、見抜く必要はない何も考えぬが良い考えだと言った。その夜更け、溝口は驟閣に火を放ち驟閣は炎に包まれる。警察の取り調べに何も語らず、溝口は移送中の列車から身を投げる。

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