Matatabi (1973) / 股旅

義理人情というものは日本人の性格の中から生まれたものなのか、庶民が望んでいたのか、それとも為政者から押しつけられたものなのか。日本人という正体(現代)を義理人情を、自由を求めて、流れ、流れる無宿人の若者を通して解明する。脚本は谷川俊太郎、監督は市川崑で、初めてのATG作品。撮影は「音楽」の小林節雄。

キャスト : 萩原健一 小倉一郎 尾藤イサオ 井上れい子 常田富士男 加藤嘉 大宮敏充 夏木章 伊藤修一 吉田精一 神太郎 二見忠男 野村昭子 

Matatabi (1973) / 股旅のあらすじ

世の中の食い詰め者で戸籍をはずれた無宿渡世人は、賭博やそれにからむケチな犯罪で生計を立てる。博徒の親分の家に草蛙を脱ぎ、一宿一飯にありつき、その恩義で命を張った喧嘩もし、わずかな路銀を貰い旅を続ける。旅の途中、たまたま出会った源太、信太、黙太郎は、若い駆け出しの渡世人で、いつかは大親分の盃を貰ってひとかどの男になると夢見ている。ある時、三人は、狡猾な番亀の家にそろって草蛙を脱いだ。源太はそこで妻子を捨てた父親の安吉と再会するが、番亀のシマを横取りしようとしていた安吉の企みが発覚し、番亀に安吉の首を取って来いと命じられる。信太と黙太郎が止めるのも聞かず、源太は父親を斬る。だが、働きの甲斐もなく三人は番亀に追い出され、また旅に出る。源太と好き合ったお汲を連れた旅である。信太が破傷風で死に、お汲との余儀ない別れがやって来る。黙太郎と源太の二人旅となり、黙太郎は大親分・助五郎の家に草蛙を脱ごうと提案する。博徒で十手持ちの助五郎の元では、凶状持ちの源太もお縄を免れられる。だが、気負い立つ心の陰に気後れがあり、草蛙を脱いだ先は助五郎一家の半兵衛の家だった。半兵衛が繁蔵親分に寝返ると噂を聞き、半兵衛の首を取って助五郎の所へ行くと野心にギラつく黙太郎。源太は渡世の義理に背くと反対する。枯れ野の土手の上、半兵衛を襲おうとする黙太郎の前に立ちはだかる源太。二人はなじり合い、刀を合わせる。黙太郎は源太の本気にギョットして逃げる。が、源太は猛然と追い、土手下に転落し頭を石にぶつけて死ぬ。それを知らぬ黙太郎は、源太の姿を捜し、「オーイ」「オーイ」と呼ぶ。

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