Phoenix (1978) / 火の鳥

生とは……?死とは……?そして命とは……?人間が存在する限り、永遠の宿命的問題を壮大なスケールで描いた手塚治虫原作『火の鳥』の古代ヤマタイ国を舞台にした第一部『黎明篇』の映画化。脚本は詩人の谷川俊太郎、監督は「女王蜂(1978)」の市川崑、撮影は「女王蜂(1978)」の長谷川清、特撮監督は「惑星大戦争 THE WAR IN SPACE」の中野昭慶がそれぞれ担当。

キャスト : 若山富三郎 尾美トシノリ 高峰美枝子 草刈正雄 由美かおる 仲代達矢 江守徹 草笛光子 大原麗子 林隆三 加藤武 田中健

Phoenix (1978) / 火の鳥のあらすじ

ヤマタイ国の女王ヒミコは、永遠に国王の座に君臨すべく、生き血を飲めば不老不死が得られるという火の鳥を手に入れようとしていた。マツロの国の国王は、国をヤマタイの攻撃から守る為、火の鳥の射手・天弓彦をヒミコに差し出し、クマソの長は、娘のヒナクを病から救う為に火の鳥を追っていた。だが、マツロは大陸からやって来たジンギに滅ぼされ、クマソはヤマタイの猿田彦に攻められ滅す。マツロの踊り子・ウズメはジンギの囚われ人となり、ヒナクは、病を治したヤマタイの斥候・グズリと夫婦になりクマソで生き延びる。ヒナクの弟で少年のナギは、猿田彦がヤマタイに連れ帰った。ヤマタイの国力は強かったが、ヒミコの圧政に民の不満はくすぶる。忠言する弟のスサノオを、ヒミコは目を潰して放逐した。厚い忠誠を誓う猿田彦もヒミコ暗殺を企てたナギをかばい追われる身となる。猿田彦とナギはクマソへ逃れ、ヒミコの命令で猿田彦の命を狙う天弓彦が追う。ナギの助太刀で猿田彦と天弓彦の一騎打ちは成らず、天弓彦は猿田彦の願いをききナギに火の鳥の血を飲ませる約束をする。猿田彦とナギの間にはいつしか父子のような愛情が育まれていた。クマソにはヤマタイ攻略を図るジンギの軍勢が居た。二人はジンギに捕えられ、その命をウズメが救う。ヒミコは、火の鳥が棲むクマソの火山に乗り込み、大噴火に遭って重い病に陥る。そして、遂に天弓彦が火の鳥を捕えた時、絶命する。ヤマタイはジンギに攻められ、猿田彦も天弓彦も闘い果て、国は滅びる。だが、猿田彦の子を宿すウズメはジンギを逃れ生き続ける。ナギは、天弓彦から火の鳥を埋めた場所を教わっていたが、その血はすでに干涸びていた。ナギがジンギの兵に刺されると、落雷が大木を火に包む。ナギは火の鳥を抱え火の中に飛び込む。ナギの体は炎の中に消え、火の鳥が甦り舞い上がる。…時が経ち、火の鳥は、クマソの住処に戻って来る。その奥深い洞窟の底には、そこで産まれ青年となったヒナクとグズリの子・タケルが生きている。タケルは洞窟を出て外の世界に踏み出す決心をする。挫けるタケルに火の鳥は生きろと言う。命は連綿と受け継がれ、国の礎・タケルは、遂に美しい山々が連なる外の世界へと踏み出す。

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