The Burmese Harp (1985) : ビルマの竪琴

1956年に映画化された竹山道雄原作「ビルマの竪琴」を同じ市川崑監督が、前作と同じ故・和田夏十の脚本のもとにカラーで再映画化。ビルマ戦線で投降した日本軍の水島上等兵は、戦争で命を落とした同胞の霊を慰める為に僧となり、現地に残る決意をする。(キネマ旬報)

出演 : 石坂浩二 中井貴一 川谷拓三 渡辺篤史 小林稔侍 井上博一 浜村純 常田富士男 北林谷栄 菅原文太

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The Burmese Harp (1985) / ビルマの竪琴のあらすじ

ビルマ戦線の兵士だった小林が、1945年7月の出来事を語る…。戦局が悪化し、井上隊はタイを目指し敗走していた。苦しさ、哀しさを慰めてくれたのは音楽学校出の井上隊長が熱心に教えてくれた合唱だった。水島は竪琴の名手で、彼の竪琴は合唱に欠かせないものだった。国境近くの村で、隊は日本の降伏を知らされた。武器を捨て、帰還できる日が来るなら全員で日本に帰り国の再建に働こうと誓った。隊はムドンの捕虜収容所へ向かい、水島は、抵抗を続ける日本軍部隊を説得する任務で三角山へ向かった。説得は叶わず、三角山は英軍の砲撃を受け多くの兵が死に水島も負傷した。ビルマ僧に助けられた水島は、傷が癒えると僧の衣を盗み変装してムドンを目指した。山河のいたる所で朽ちる日本兵の屍の山を見た。収容所の井上隊は水島の消息を追っていた。ある日、肩にオウムを乗せた水島によく似たビルマ僧と出会うが、僧は逃げるように去って行った。井上は、物売りのおばあさんから僧のオウムの弟鳥を買い求め、「ミズシマ、イッショニ、ニッポンニカエロウ」と覚えさせた。水島のものと思われる竪琴の音色、日本式に遺骨を抱くビルマ僧の姿に、隊員は水島との再会の望みを繋ぎ捜し続けた。捕虜の帰還が決まり隊員は歓喜に沸く。彼等は、おばあさんに頼んでオウムをビルマ僧に渡して貰うことにした。すると、収容所に僧が現れ皆の合唱に合わせ竪琴を弾く。僧はやはり水島であった。だが、僧は、別れの曲を弾き頭を深く下げ去って行く。出発の日、井上に水島の手紙とオウムが届く。井上は、復員船の甲板に皆を集めて手紙を読んだ。皆と離れ経験した数々のことと、ビルマで骸となった同胞を置いて日本に帰ることができなくなったことが書かれていた。水島のオウムは、「イッショニカエルワケニハイカナイ」と鳴いた。水島は僧となってビルマで生きる覚悟をした。小林は、その時、水島の家族がどう思うかと考えていた。

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