Brother (1960) : おとうと

幸田文の原作を、「キクとイサム」の水木洋子が脚色し、市川崑が監督した、若い姉弟の物語。撮影は宮川一夫。この作品では時代の雰囲気を出すために彩度を落としコントラストを残す現像方法「銀残し」が生み出された。

監督:市川崑
出演:岸惠子 川口浩 田中絹代 森雅之 仲谷昇 浜村純 岸田今日子 土方孝哉 夏木章 友田輝 江波杏子

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Brother (1960) / おとうとのあらすじ

武骨だが気丈で情愛深い17歳の娘・げん。げんには、碧郎という二つ下の弟がいる。父は著名な小説家、母は、リューマチを患い信仰に救いを求める継母である。げんは、手足の痛む継母に代わり家事をこなし未熟ながらも碧郎の身の回りの面倒を見る。何もしてくれない継母に不満を抱く碧郎は、ふとしたきっかけから不良の仲間入りをしていく。げんは、ときに取っ組み合いの喧嘩をしながら碧郎を心配するが、継母は、碧郎が引き起こす事件に自分の不幸をかこち、父は、十分に目をかけてあげられない碧郎に申し訳ないと感じながらも書斎にこもりがちである。碧郎は、万引きやさざまな遊びに明け暮れていたが、ある時、貸し馬を疾駆させ馬を骨折させてしまう。駆けつけたげんとの帰り道、碧郎は、一度ぐれてしまった者の悲しみ、何もしない者のつまらなさをげんに打ち明ける。やがて、碧郎は肺病におかされ病床に臥す。げんは甲斐甲斐しく看病を続け、父は仕事をこなし治療費を稼ぐ。だが、碧郎の病は進行し、継母も不自由な身体で碧郎を見舞う。碧郎は、素直な気持ちで継母をいたわった。その晩、げんが付き添う病室で碧郎の容態は急変した。それぞれに孤独を抱えた人間が寄り添う一つの家庭で、げんは日々の営みを精いっぱいに生きる。

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